2月23日(水)早朝 葛葉神道家 涼居室

な………何が起こった? (23日 朝)
  
涼:
 (目を覚ます。身を起こすと、昨日のような痛みは拭われたように消えているが、頭は重い)
 まだ……生きておるのか。私は。
(起こした体には、布団がちゃんとかけてあり、畳の上にずり落ちる。それを見て、あからさまに複雑な表情になる涼。目の前が、クラッとなって、畳にすぐ手をつく)
 ………な?
Date: 2005/02/23

イサクめ………!
  
涼:
(枕元に開いてあった鏡に気付き、目を見開く。己の目の色が………「黒」!)
 な………な!
(こそぐように鏡を見つめ、唇を手で押さえ)
 ありえぬ、我が身の力……(畳についた拳を強くにぎりしめ、その身が小刻みに震える。顔面は蒼白。細い肩が激しく震え)
 イサク………ッ、あの、破廉恥漢、盗人めが、源まで持っていきおったか……ッ!

(自分の顔を片手で覆い、唇を噛みしめる)
 なんたること。なんたることじゃ……
明日はようやく満月が来るというに。
 我が身の力の何もかも、イサクに持っていかれてしまうとは……ッ!

 私から術をとれば、何が残ると?
く………ッ(歯を強く噛みしめ、両手で畳みを激しく打ち、そのままそこに突っ伏してしまう)
 だ……駄目じゃ。このままでは。このままでは、私は。
 私は………あ………兄上を………お助け、できぬ……!
Date: 2005/02/23
 【Ne xt】(2月23日(水)葛葉神道家(1)へ)
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