有坂: (涼の肩の想像以上に小さいのに、眉を潜め) (考えてみれば、この方は、まだ19なのだ……成人すら、しておられぬ。 それなのに、もう、数え切れぬものをその肩に背負いこんで…… 大表の方さまは、一体、どのようなおつもりであるのか。ただ、あの噂をお信じになっておいでなのだけではないのか? もしそうならば、それは、酷な話だが……この方は何もご存知ない)
まずは、「オモテ」に参りましょう。 とにかく、体勢を立て直さねば! ご案じ召さるな。「オモテ」は、何も、姫さまをこきつこうておるだけではございませんよ。 このような時のために、この有坂がおります。
常に申し上げておりますでしょう……我等は姫さまをお守りするためにある、と。 ………このようなことになっていると知れば、きっと、細田室長は目を回されるでしょうが(苦笑)
………姫さま? どうなさいました? (涼が、驚いたように店の四方の壁を見つめているのに、大きく首をかしげ)
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