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(白い手)&桜木
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(白い手):
兄貴はともかくな……そういう『決まり』でね。
オレは、未熟者の『新約』だから、働く時には、極力、顔を知られちゃならないことになってる。
桜木:
『新約』?
(言っていることがわからない。頭をひねるが、それ以上は答えてもらえなさそうなので、ただ、頚をかしげるに止める。ややあって、少し天を仰いで)
さぁ。で、王手ということは、その手で、私は殺されると思っておいた方がよろしいですね?
ならば、そうだなぁ……
妹に、せめて遺言だけでも届けて戴けると、助かります。
きっと、今頃、泣きそうな顔で、私の事を探しているでしょうから……
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Date: 2005/02/28/03:02:13
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桜木
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桜木:
短い伝言です。
ただ、
「悲しむ必要はない。父上や母上と同じく。私はいつでもあなたと共にある」とだけでいいですから。
お願いできますか?
きっと、もうすぐ来るでしょう。
そうすれば山も開き、あなたも外へ出られる。
そのときに、ちらりとだけ………
あの子の耳元に、そう、囁いていってやって下さい。
お願いできますか?
(白い手):
(あからさまに、戸惑った声で)
べ……つに、そのくらいは構わなねぇと思うけど?
魔物庇ったとしても、あんたは人間なんだし。
あんまりよく読んでねぇけど、こっちの「決まり」に、遺言伝えちゃいけねぇってのはないはずだ。
桜木:
(ほんのり、笑って)
そうですか。
助かります。
ホッとしました。
………では、どうぞ。
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Date: 2005/02/28/03:12:44
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