(EmptyReference!)
こちらを向け! |
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涼
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涼:
(先ほどまでとはがらりと表情がかわり、笑顔のかけらもない。氷のように切り立った視線の奥には、殺気さえ宿るほど)
お主が………
(地面に腰をついている男を見下ろす。いまだ、男は顔を手で覆っている。憎々しげに、涼、唇を噛み、男を見下ろし)
………おって、有坂が来れば、かえってお前を護ろうとするやもしれん………それほどに、我が身の中の怒りは、深いぞ。
この日の本の魔は、すべて、この姫帝、『天魔』涼の庇護のもとに統べられておると、知らぬとは言わさぬ。
この国の土を踏み、我が領土より勝手気儘に若い魔を狩ろうなぞとは、あり得べからざる大罪。
なれば、我が手で直々に、その罪の重さ、思い知らせてやろう。
(EmptyReference!) 桜木:
(涼の後ろで、慌てたように)
ま、待って下さい、涼、その人は!
涼:
兄上はお優しすぎるッ!
しばし、後ろで待っておられよと言うたはず。口出しして下さるな。
私は………怒っておるのじゃ。
有坂がくれば、こやつは「人間」。
裁きは私の手を離れ、おそらくは「オモテ」の審理となる。
ましてやこやつは日の本の奴にはあらず。
………おそらくは、毛唐の仲間が、目の色変え、あの手この手で言いくるめて、引き取りにやってくるに違いあるまい。あれは、そういう連中じゃ。
そうなれば、いかに有坂とて、こやつを罰せるかどうか知れぬ。
浅い罪で済んだのならば、味をしめ、こやつのみならず、真似るやつも出て参りましょう。
それでは、姫帝としての、沽券にもかかわります。
なにより………いま、我が手で滅さねば、この身の怒り納まるとも思えません。
どうか、お口出しはなさらぬよう!
さ。面をあげよ!
しゃッ面見せいッ!
(手をサッと空で一閃すると、顔を隠していた男の手が、何かにはねのけられたように、左右へわけられる)
(EmptyReference!)
(男の顔を見て、涼、息を飲む)
………なッ。
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Date: 2005/03/02/00:52:18
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