4月24日 十文字の里

離してやって下さい
涼 桜木 イサク  
(EmptyReference!)
イサク:
(さして力をいれた風でもないのに、自分の腕からスッと涼を奪うものがある。睨み付ければ、相手は厳しい表情で自分を見つめ返してくる………眉を寄せ、それを、見返し)
 ………あなたが、桜木、か。

桜木:
(しばらくは答えない。イサクのことを、黙って見つめている。ちらりと、引(EmptyReference!)ォ寄せた涼の、彼のことすら見上げようとしない頑なな横顔を見下ろし……胸でも痛むような表情を浮かべる。とても複雑な表情で、小さく頚を横に振る)
 ………離してやって下さい。
この子が………いやがっている。
 どうか、それ以上は近づかないでやってください。
 あなたは………強引すぎる。

Date: 2005/03/02/04:16:40   [235](EmptyReference!)

今のあなたには……
桜木  
イサク:
(桜木の視線に非難を感じ、心外だと、その目に深い怒りが浮かぶ。が、さらに、桜木が、自分のことも痛ましげな視線でみるのに、今度は侮辱されたような気分で、顎をひく)

桜木:
 あなたには………わからないんだ。
他人の気持ちが、どんな風に動いているのかが、まったく。
 見えていない。いままで、見てきたこともない。そうでしょう?
 そんな風に、見える。

 これまで、一度も失敗などしたことがない。誰かを馬鹿にしたことはあっても、馬鹿にされたこともない。
 あなたは………傷ついたことがない。
きっと、とても完璧な方なんでしょう。  私が見ても、あなたの体すべてから出るちからが、それは凄まじいものであることは理解できます。
(EmptyReference!)  
 けれど……ヨハネ、というんですか。
あなたは、彼にも、遠く及ばない。
 いいえ、彼の方が……ヨハネさんの方が、いっそ、よほど、優れている。

イサク:
 な………にッ?
(なんのてらいもなく、その目に火がつく。その場に涼がいなければ、桜木の頚を手で掴んで握りつぶしかねないほどの殺気)

桜木:
(殺気を浴びていることも気付いていないのか。さらに深く、眉を寄せ、頚を横に振るばかり)
 あなたは、そういう意味では、とても損をしている方なのかもしれない!
 何もかも完璧でありすぎたために、本当に学ばねばならぬことを、取り落としてしまわれたんですね。

 それは、涼。
あなたも同じなんだ……
 あなたは幼い頃から、あまりにも、私や絵美子を護ることばかり考えすぎてきた……あなたにも、取り落としてきたものがある。気付いていながら、どうしても、あなたにそれを教えてあげられなかた。私に、それは責があるんだ。

 あなた方は………とても似ている。自分たちでは、気付いていないかもしれませんが。
 だから、本当なら………

(言いかけ、しかし……止め。再びイサクを見て)

 あぁ……けれど、今日はもう、私より先には進ませません。
 私の妹に触れる者は……この子に触れるものは、すべて、この子を笑顔にさせるもの。微笑ませ、幸せにさせるもの。
 私は、そう、決めているんです。

今のあなたに………それは………不可能だ!
Date: 2005/03/02/04:18:06   [236]


あなたに何ができる?
<(EmptyReference!)FONT SIZE="2" COLOR="Lightslategray">イサクVS桜木  
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/237_1.jpgM_openBrWindow('http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/237_1.jpg','window','scrollbars=no,width=340,height=295');return false;">イサク:
(しばし、桜木の言葉に眉を寄せ、声を失ってただ見返していたが、やがて、生じた揺らぎを振り切るように)

 たとえば……進ませないと行って、
あなたに何ができる?

 自身で、身も護れぬあなたが。

 私を止めることができるとでも?
………笑止な(嘲笑)

桜木:
(眉を寄せたまま。一歩もひかず。イサクの脅しは一言もその耳に入らなかったらしい)

 それに、一郎太さんを返して下さい。

 あなたが、今回の件のすべての責任者なんでしょう?
 あの子は、別に何も悪いことなどしていない!

 どんな命も、勝手に誰かの都合で………あなたがたの……良いように……使われていいはずがないッ!

イサク:
(静かに、視線を鋭くして。桜木の表情に、何事かを知る気配を読みとり、険しく、いぶかしむ)
 貴様……何をヨハネから聞いた?
(「あなた」から「貴様」へ。その視線の刃の変化は劇的)
 どこまでも馬鹿な奴め……口が軽すぎる!(自分の背後にいる、ヨハネを一瞥し、罵る)

桜木:
(頚を小さく横に振り、吐息をつきながらイサクを見る)
 いいえ………いいえ。
その人は、なにも。
 余計な事など、一言も話されるものですか。

 あなたの言いつけを忠実に守って、
けして顔を見られぬように闘っておられたんです………闘いにくかったでしょうに。

(イサクの背後で、ヨハネが驚いたように桜木を見る。自分は「決まり」としか口にしなかったはず。
 桜木はイサクを見上げたまま、彼を責める口調で続ける)

 ………果心堂さんは決して、与し易い相手じゃない。

イサク:
(だんだんと、桜木が理解できなくなってくる。何を、どうやって知ることができるから、この男はこれほどまでに確信を持って、自分と話をするのか……それがわからぬことには、答えるのも命取りに思える。沈黙のまま、桜木を睨み据える)

桜木:

(イサクが明らかに怪しむ表情で自分を睨み付けているのに、唇を一瞬引き結んだあと。何かを、自らの中で引き絞るように)
Date: 2005/03/03/04:04:14   [237]

どうして、気付かない。
イサクVS桜木  
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/238_1.jpgM_openBrWindow('http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/238_1.jpg','window','scrollbars=no,width=488,height=256');return false;">桜木:
 どうして、気付かない?
(痛ましげに、頚を傾け、イサクを見上げる)

 ………こんなことよりも、あなたがやるべきことや護るべきものは、もっと他にたくさんある。その「手」は、きっと、あなたが考えているような事のために、あなたに与えられたものじゃない。
 失ったあと、あったものの貴重さに気付いても、それはもう手遅れなんですよ?

 あなたは………もっと自分のまわりを、よく見直さなければ!
 あなたにとって、本当に大切なもの、それは、

イサク:
(見つめ返していた桜木の瞳の色が、自分を射抜いたように、どくっと脳の中に飛び込んでくるのに、息をのむ。ほぼ反射的に、目をそらし、右手を桜木の額にぴたりと向ける。自らの動揺を自ら問い、否定するように)

 ………あなたを殺すと、この人が一生許してくれないだろうから、手を出すつもりはなかったのだが………

(左の手をいつのまにか強く握りしめ、拳の中にじっとりと汗が滲んでいたことに気付く………苦い笑みを頬に走らせ、桜木を見直す)

 ………何故かはわからんが、生かしておくべきではないと、私の中の何かが叫んでいる。

 おそらく、あなたは少々………おせっかいがすぎるのだ。
 突っ込むべきではない場所にまで、片端から頭をつっこんでゆく。

 ………どのみち、長生きの出来るタイプではない。
Date: 2005/03/03/04:19:40   [238]


兄上に触れるな!
  
涼:
(庇われていた桜木の背後から飛び出して、イサクとの間に割ってはいる)

 イサクッ!
兄上にその手を向けるな……
 私の兄上に触れるなッ!
Date: 2005/03/03/04:51:24   [239]

では
イサク  
イサク:
(涼を見下ろし、良いことを思いついた、という風に)

 ………では、あなたは私のところへ来られる、と?

(満面の、微笑みで)
Date: 2005/03/03/04:53:02   [240]

な………ッ
  
涼:
 な………ッ
(考えもしていなかった。イサクの言葉に、目を剥いて、しかし、声をなくす。たしかに、この状況で、桜木を助けるとなれば、イサクの出したような条件をのまぬわけにはゆかないのではないか………)

 お………お主、という奴は……ッ!
Date: 2005/03/03/04:56:20   [241]

悪い話ではないと思いますが
イサク  
イサク:
(自分に苦笑しながら)
 ………悪い話ではない。そうでしょう?
あなたにも、これから私と正面切って闘うだけの余力があるとは思えない。
 姑息すぎて、我ながら、不本意ではありますが、何………大義の前の小義。

 私はまず、あなたの誤解が解きたいだけだ。

 おまけに、(桜木の方を見て)あなたの言うその一郎太という魔もかの吸血鬼殿にお返ししよう。
 妹御を………永遠に束縛しようなどというつもりは、私にも、ない。
 まず、半年もあれば十分だ。
その間、私とともに、この方には来て頂きたい。

半年………。
 (涼の方を見て)私があなたの……誤解をとくには、十分すぎる時間だ。
 私があなたとともに過ごしたのは、たった2週間のこと。だが、あなたたは見事に私の中に入ってこられた。
 次は、私の番だ。
………そうでは、ないですか?
Date: 2005/03/03/05:10:47   [242]


涼。退きなさい。
桜木 &n(EmptyReference!)bsp;
桜木:
(唇を引き結び、蒼白になってイサクを睨み上げている涼を見て、黙って、苦笑)
 おやまぁ。案外、もてますね、私の妹は……
(涼の耳元に、囁く)

涼:
(カッと頬を赤くして、桜木を睨む)

桜木:
(微笑んで、頚を横に振る)
 ………涼。
退きなさい。
 このひとは、あなたの手には負えない。

涼:
(目を剥き、何か叫ぼうとするが、桜木の微笑みに止められ、再びその肩に護られる)  
Date: 2005/03/03/05:18:59   [243]

残念ながら
桜木 &n(EmptyReference!)bsp;
桜木:
(イサクをみあげ)
 私の妹は………私の命などという安価な華ではありません。
 手に入れたければ、一切を擲つだけの気持ちで挑んでいただかなければなりますまい。この子の前には……常に、私がおりますのでね。

 残念ながら、涼はお渡しできない。

 私は、たとえ、五分であったとしても、あなたとこの子を二人きりにさせるつもりなど、ありません。

 それを、よしんばこの子が望むようなことがあったとしても………

 私は、けして、許さないでしょう。

 今のあなたには、何をしてみたところで、けして、この子を幸せになどできはしない。
 あなたは大きく目の開いた盲人だ。
 そんな人に、私の涼はけして……触れさせない。
Date: 2005/03/03/05:26:34   [244]

勘違いをなさっておいでだ
イサク &n(EmptyReference!)bsp;
イサク:
(不愉快を含んだ悪意のある笑み)

 ………勘違いをなさっておいでのようだな。あなた方に選択肢を与えたつもりの言葉ではない。

(手を、スッと、桜木の額にあて)
 私は、どちらかといえば、もっと簡単な方法を選んでおきたいのだから。

 
Date: 2005/03/03/05:30:24   [245]


イサク  
………ッ?
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/246_1.jpgM_openBrWindow('http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/246_1.jpg','window','scrollbars=no,width=359,height=532');return false;">イサク:
(掌を桜木に向けて、数秒を経て。………ゆっくりと、顔色を変え、手を引く)

 ………な?
Date: 2005/03/04/01:05:42   [246]

イサク  
「神の手」を………?
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/247_1.jpgM_openBrWindow('http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/247_1.jpg','window','scrollbars=no,width=370,height=381');return false;">イサク:
(微笑んで、涼を見下ろした桜木を凝視して)
 なぜ、平気な顔をしている?
私の手から……この「神の手」から……逃れられるものなど、何人たりとも、おらぬはず!
Date: 2005/03/04/01:20:40   [247]

(EmptyReference!)
だからあなたは
桜木  
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/248_1.jpgM_openBrWindow('http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/248_1.jpg','window','scrollbars=no,width=320,height=471');return false;">桜木:
(自分のことを泣きそうな顔でみあげた涼を、安堵させるように頷いてのち、横顔を静かに、厳しくして)

 ………だからあなたは、大きく目の開いた盲人だというのだ。

 この山をこれだけ満たしている、ありとあらゆる、すべてのものに気が付くことすらできないなんて。

 この山では、木の葉一枚、砂一粒も、無意味なものはない。すべてに……私の父や母の想いが宿る。

 それは、一日や二日でこめられたものではなく……父や母は、また、その父母に。連綿とつらなり、今の我等に受け継がれてきたもの。

 それは、あなたの持つような特別な力に比べれば、ごく小さなもの。
 けれど………小さなもの、そのすべてで私を護り、けして、あなたに私を害させない。

 あなたは、その力の使い方を間違っている………だから、ただ、幸あれかしという、私の父母の平凡な日々の祈りにすら、勝つことができない。

 この場所では、あなたは、けして、私たちを害せない。
Date: 2005/03/04/01:53:32   [248]

(EmptyReference!)
私は。
桜木  
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/249_1.jpgM_openBrWindow('http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss/4660storydoo/249_1.jpg','window','scrollbars=no,width=370,height=363');return false;">桜木:
(イサクの殺気を帯びた凝視を、静かに、受け止め、見返して)

 この山の護りを受ける以上、もはや名乗らないことは許されますまい。
 我が名は………十文字鷹也。

 滅びゆくさだめたる十文字の血を護るもの。その………最後の主。
 不死の鷹を護るもの。

 そんな……けれど、名ばかり大仰なくせに、確かに私は自分でこの身一つよく護らぬ、力無い、ただの人間です。

 でも、あなたにはけして殺されない。

 ……あなたに破れることはない。
Date: 2005/03/04/02:10:58   [249]


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