2月24日 十文字の里
(E(EmptyReference!)mptyReference!)兄上……!
  
(EmptyReference!)
涼:
(桜木の腕の中で、突然驚いたように目を見開き)
 あ………兄上!

桜木:
(涼を見下ろし)
 はい?

涼:
(呆然とした風に)
(EmptyReference!)@き。聞こえる。
父上、母上の歌われる………あのお声が。
 子守歌が。
お声が……聞こえるぞ?
(みるみる涙目になり)

桜木:
(微笑んで、ただ頷く)

涼:
(その、あまりに当たり前というふうな笑顔に、しばし、声をなくして)
 あにうえには………いつも、聞こえておいでであったのか………
 この声が、いつも………?
(小さく、口の中で呟く)
Date: 2005/03/04/02:37:23   [250]

さぁ。
桜木  
(EmptyReference!)
桜木:
(涼の呟きに、ただ、微笑みで応えて)

 さぁ、涼。
Date: 2005/03/(EmptyReference!)04/02:39:26   [251]

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「いずみ」が、来ます
桜木  
桜木:
(手を大きく空へ掲げ)

「いずみ」を………招きます。

 もっと側に居て下さい。あなたがいてくれなければ………私は、あれを完全には招けない。
Date: 2005/03/04/02:45:58   [252]

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兄上は、お強い。私の及ばぬほどに……
  
涼:
(桜木の言葉に、こくりと頷いて、そののち、何故かつらそうに呟く)

 兄上は、お強い。
私がどれほどに修行しようと、やはり………兄上は、「特別」じゃ。
 私は。私は………の。兄上を、護りたいに………
 どうすれば……強うなれる?
どうすれば、誰より強う………このように兄上にご苦労をかけないで済むように……力あるものになれる………!
 教えてくださいませ。
父上。母上………ッ!

(桜木が問いかけるように頚を傾けてきたのに、ぎこちない笑みを浮かべ、頚を振る。桜木の腕に身を預ける。地から湧き、木々の木立から降り注ぐように、広がる、無数の声に、耳を傾ける歌は、子守歌)
Date: 2005/03/04/02:57:36   [253]

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(子守歌。その、歌声が無数に降り重なり合う)
桜木&涼  
 ………一つとせ。
 一つ ひいらぎ榊もて 望月 鼓に笙の琴

 ………二つとせ。
 二つ 笛竹 舞神楽 つとめはたせば飴をやろ

 三つとせ
 三つ 御霊よ 護られよ なんで 吾が子に罪があろ

 四つとせ
 四つ 夜中になるころは 鬼も 魔性もさびしいか

 五つとせ
 五つ 岩戸に こもられてお天道さまは 西の方

 六つとせ
 六つ 村雨 怖ぁない 泣いておるのは あまのじゃく

 七つとせ
 七つ 弱竹 かぐや姫 月にかえるは不人情

 八つとせ
 八つ 山姫 影を踏め 吾子よ 愛し子 影を踏め

 九つ 琴は吾が形見 御陵のなかから お前をまもろ

 十 十文字に生まれたが なんで 吾子に罪があろ………
Date: 2005/03/04/03:17:03   [254]


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(空の上に、大きな翼の影)
桜木  
(涼とともに見上げる空に、大きな翼の影。高い鳴き声が木立を揺らす……月光に輝く、黄金の鷹。
 姿なき十文字たちの歌声が、禍々しいほどに地面をゆらす)

桜木:
(ゆっくりと、イサクたちを正面から見据えて)
 さぁ………一郎太さんを、返してくださいますね。
 で、なければ、あなたがたは、この山から一生、一歩も出られない。
 私がそう望めば、「いずみ」が……あの鷹が、この場所をたやすく完全に閉じてくれるでしょう。

 ………ここに、死ぬまでいたいですか?
Date: 2005/03/04/04:47:55   [255]


誰がそのような条件を……
イサク  
イサク:
(真剣に苛立った様子で、その手を横にうち払い。 嘲るふうに)

 馬鹿な!
誰がそのような条件を………くッ?

Date: 2005/03/04/05:59:20   [256]

あれはまだ未熟。
イサク&果心堂  
果心堂:
(刀の先を、少し、あげて、イサクの喉にわずかに刺す)

 ………オレの内弟子を戻してもらおうか。

あれはまだ未熟。
 教え残したことが数多いゆえ、寝覚めが悪い。
Date: 2005/03/04/06:01:56   [257]

たかが魔が
イサク&果心堂  
イサク:
(………さすがに、顔を苦く歪める。憎々しげな笑みを片頬に凄惨に刻み)

 ………たかが、魔が。

果心堂:
(イサクの嘲りを、気にとめた風もなく)
 借りは返す。
流儀でな。

イサク:
(投げやりに笑んで)
 それは、思いもかけず………律儀なことだよ。
Date: 2005/03/04/06:05:32   [258]

少し
果心堂  
果心堂:
(桜木に向かって、唇の端を少し引き上げ)

 ………済まぬな。
少し、遅れた。
Date: 2005/03/04/06:13:45   [259]


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待ちゃ。
  
涼:
(刀をつきつけられているイサクを、ジッと見つめて、静かに前へ出る)

 ………待ちゃ。

(近づいてきた涼に、果心堂が不審な表情を浮かべる)

 ………もう良い。
いかな阿呆でも、もはやこ奴にもわかった筈。
 これ以上の屈辱を与える意味もあるまい。果心堂。抜刀のまま脇に控えよ。

(手をゆっくり横へ払う仕草で、果心堂をイサクから離れさせ、彼を見上げる)

 わかったな。
………わかったのなら、弟を連れ、早く帰れ。そして、もう二度と来るな。

(イサクの表情が、明らかに痛みを宿して自分を見下ろすのを、さっと顔を俯かせる仕草で避け、そのまま顔もあげずに………一瞬、振り切るように瞼を落とし)

 ………手を出せ。
餞別を、くれてやる。

(己の白い手をイサクの左の掌の上に重ねる)
Date: 2005/03/04/06:43:22   [260]


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お返ししなければ
涼&イサク  
イサク:
(自分と目をあわせぬ涼の姿に、言葉が唇の先から出てこない。言いたい事なら……尋ねたいこともまた……たくさん、ある気がするのに。
 重ねられた指先を感じながら、かろうじて、出たのは自分でも間の抜けたように感じられる台詞だ)
 こうなってしまっては、あなたのお力………お返ししなければな。

涼:
(はねのける激しさで、イサクを睨みあげる。その勢いに驚いて、何かあったのかと思わず桜木がその肩を護りに来るほどに)
 いらぬ……!
それは、お主にくれてやる!


イサク:
は………ッ?

(信じられぬ事を。力をなくしたままでこれからどうする気か……そう、叫び返そうとするが涼の激しい拒絶の瞳に出逢って、唇を噛む)

 ………あなたは、また、なんの考えもなく………プライドだけは無意味に人一倍に高いのだ………ッ!

(罵ったものの、突き返す手段も思い浮かばぬらしい。少し途方にくれた風に斜めに視線をやり、ち、と、舌を鳴らす)

 あなたに人智を越えた力があったから、人も魔も皆、あなたに従っていたのだ。
 その力をすべて失ったままで良いと?
明日から、その身に何が起こるか、ご自分でもわからぬのだろう!
 良いから、黙って取り戻しておきなさい。くだらぬプライドに振り回されて、後悔したところで、後の祭りだ!

涼:
(もはや、論じる気はない。頚をサッと横に振る)
 不要。
 お主にあれほど容易く奪われてしまうようなもの、そもからこの身の本来のものではなかったのじゃ。
 ましてや、一度、お主の中に入ったもの……汚らわしゅうて、我が身に戻せるか! 

イサク:
(汚らわしい、と言われ、かちんと来た顔をするが、すぐにさらに涼を説得しようと言葉を重ねようとする。
 しかし、その目を、涼の漆黒の瞳が、押さえた激しさを猛らせながら、ぴたりと自分を見据えたので、声をなくす)

Date: 2005/03/05/05:33:23   [261]


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