涼: なにを惚けたことを……(大欠伸)したが、お主の言うとおりじゃ。私も、いよいよ少し休まねば、眠うてならん。気も沢山、有坂に暮れてやったで、さすがに疲れたよ。 これでは、どんな呪法を行ったところで、叶うことも叶わんわ。 ……おっと、イサク。有坂が目を覚ましても、一条殿のところへ行った話は絶対するなよ。あれは私の監視役じゃ。 「オモテ」は私が勝手に市井の人間に逢い知己を増やすことをことのほか嫌う。 後日、一条殿にまでご迷惑がかかりかねん。けして、喋るな。
イサク: なんなんです、「オモテ」って……まさか、記憶抹消部隊みたいなものが来るとか?MIBでもあるまいに……(失笑)随分とものものしい。では、あなた籠の鳥というわけだ。自分で籠の鍵をかける、実に珍しいタイプの。
涼: (つっかかられている事に気付いて、眉をあげる)……なんじゃ、お主?
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