2月20日(日)昼 葛葉神道家 廊下(2)

あぁ!姫さまぁ……ッ!
有坂&イサク  
有坂:
 あ、逃がしませんよ、姫さま! 一昨日昨日とまだ無断で外出なさいましたな。そもそも有坂はそれについて……(追おうとしたのを、イサクにさえぎられる)あ……あぁ……行ってしまわれた。
 どうしてくれるんです、あなた!
 そもそも、一体、誰なんだ?

イサク:
 (黙って目を細めて、ただ、皮肉げに唇を歪める)……お前のような奴が、どうしてあの人の側にいることが許されているのか、理解に苦しむな。

有坂:
 (直球の悪意にさすがにムッとして)
 どなたか知らないが、そんな口を聞かれる覚えは私にはない。
 この有坂岳彦、確かに力はないが、かわりに頭はある。姫さまが年の僅かな間でも、山を降りて兄君と暮らされるにあたり、ご生活の確保が可能になったのは私の働きがあったればこそと、委細、ご存知での発言ではなかろう。
 今のやりとりだけ聞いて、何もかもわかったつもりの横やりは迷惑千万。
 さぁ、そこを退いてもらおう!
Date: 2005/02/20

私がお前ならば。

イサク&有坂  
イサク:
 ……私がお前ならば、童女のような式鬼より、よっぽどあの人のほうを大切にするのだがな。

有坂:
 (カッと赤くなり、イサクを睨む)私は何も、姫さまより『太郎』らが大切だというつもりで言っているのではない!
 姫さま大事、だからこそあの式鬼たちが私には必要と……
 (そこまで言って、言う必要のない話をさせられていると気付いたらしい。にわかに不愉快そうな表情で、踵をめぐらす)
 姫さまはまた後で捕まることとしよう。失礼する! 
Date: 2005/02/20

そう慌てる必要もなかろう
イサク&有坂  
イサク:
 待て。そう慌てる必要もなかろう?
別に知られたくない下心があるわけでもなかろうに(嘲笑しつつも、目が笑っていない)

有坂:
 (細かく眉間に皺を寄せ)……何を聞きたい。はっきり言ってもらいたい。
 言えぬのなら、私はあなたと無駄話をするほど度量の大きい男ではなさそうだ。このまま、姫さまの御用時が終わるまで部屋で待っていたいのだが。

イサク:
 (腕組みをし、目がどんどん鋭くなる)オレは木の下で実が落ちてくるのを口をあけて待っているタイプの男は好かんのでな。つい、その口に泥をつっこんでやりたくなる。

有坂:
 (明らかに不愉快の表情)ならば、突っ込まれる前に、ますます退散せねば。あなたは私をそのタイプだと思っておいでのようだからな!
Date: 2005/02/20

待てよ……?
イサク&有坂  
有坂:
 (ふと、気付いて、眉を寄せ。少し顔をあげて、イサクを見る)
 ……あなた、どうして「太郎」たちを童女のような、と?
 どこかであの子達をお見せしたことがありましたか。

イサク:
 (冷たい顔で、微笑んで)お前とは初対面では、ないさ。少なくともこれで三度は、逢っている。

有坂:
 (驚いた顔で、イサクを見直す)

(と、そのとき、涼が一郎太の刀を使って術法を施しに行ったはずの奥の方から、悲鳴に近い叫び声)

イサク:
 なッ?

有坂:
 姫さまッ!

(二人して顔を見合わせ、廊下を走っていく)
Date: 2005/02/20
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