2月21日(月)葛葉神道家(2)

お前は魔に好かれるたちだったからなぁ
アリュテ&有坂  
アリュテ:
 あぁ……(どうでもよさそうに)そういえば、あの黴臭い学校に、しばらく好んで顔をだしていたこともあったね……そうか。お前、あのときの(赤い杯に入った酒にちょっと口をつけ)別に誰に招かれたという訳でもないよ。最初は、上の茶店にいたのだけれどね(……ニッとして)こちらのお屋敷の方がおもしろそうだから、来てみた。悪くないおもてなしだね。

有坂:
 (巫女たちの目に焦点があっていないのを見て、静かに焦る)アリュテさまが操っておいでか………し、しかし、姫さまがいらっしゃるときに、これまでこのような事が起こることはついぞなかったはず。
 ……いや? そういえば、新たに作られた式鬼の動きが悪いと、おっしゃっておいでではなかったか。
 姫さま………まさか、お力が。

アリュテ:
 (ニッコリと微笑んで杯をあげ)どうした! 昔のよしみだよ。一献やろう。来い!

有坂:
 (大慌て!)は、はッ!(ひぃ!姫さま!どうか見つけて助けに来てくださいぃぃぃ!)

アリュテ:
 思い出したよ。お前は、昔から魔に好かれるたちだったものねぇ。まだ、その性質は変わってないみたいだけれど。
 最近、ボクはずっとこの国にいるんだよ。ちょっと居心地の良い場所を見つけてしまってさぁ……まぁ、ずっとっていっても、どこまでそうなるかはわかんないけどね。でも、今のところは満足しているんだ(有坂に酒をつがせながら)これからは、ちょこちょここっちにも遊びに来ようかなって思ってるとこ。
 上の店の主と、ボクのところの住人が仲良くてね。だから、お前にも会う機会がまた増えるだろうな。どうか、ヨロシクね!

有坂:
 (そ、そうか……兄君さまのお店のお客さまで……!さ、桜木さま、お恨みします……!)
Date: 2005/02/21

他にイヤな顔もみたけどね
アリュテ&有坂  
アリュテ:
 それにしても、ここ、ヘンなお屋敷だね。

有坂:
 は。は、まぁ、あの古いこの国の民族家屋と申しますか、はぁ、まぁ、巫女百余名を抱えるお社でございますので、それは、普通の建築物かという点で申しますと、いささか……

アリュテ:
 (不思議そうな顔をして)そういう意味じゃないよ。顔ぶれのこと。お前がいて、少し納得したけれどさ。
 まさか、あいつまでいるとは思わないもの。あいつ、大きくなっていたね。とても……イヤな感じだったよ。

有坂:
 は………?(目をしばたかせて、アリュテ君を見て)

アリュテ:
 なに、信じられない!気付いてないの。あんなに独善的な空気を持っているやつ、ほかにいないじゃないか。お前にはあいつがどういう奴か、教えていたはずだよ。

有坂:
 はぁ……?(姫さまのことでは、よもや、ないな。独善的というと、あのかたも相当なものだが……)

アリュテ:
 (本気でわかっていない有坂に、情けなさそうに肩をすくめ)もう、いいよ。わかんないなら、別に、さ。
 それにしても、あいつ、何故だか右手の封印もなくなっちゃっててさ。居るだけで、あたりを息苦しくさせるくらい清浄にする。水清ければ、魚住まずって……世界のバランスが、いまだに理解できてない。
 なんどか、昔はお前と一緒で教えてあげようとしたこともあったけどさ。
 あれは、駄目だね。
 ここにいるということは法王庁もとうとう見放したのかな?

有坂:
 み………右………手。封印?
Date: 2005/02/20

この世に存在するすべてのものは「バランス」を失ってはいけない
アリュテ  
アリュテ:
 (血相を変えて立ち上がり、走っていく有坂の背を見送り、最初はぽかんと、やがて、杯をあげたまま視線を横へ)
 ……あの場所で教えてたときの、ボクの生徒の中では、彼は成績の悪い方じゃなかったんだけど。……でも、人間だから、あんなにももう大きくなってしまったんだね。
 最初逢ったときは、友達のはずだったんだけど……別に、ボクはかしづいてくれる人間なら、そうは必要としてないんだけどね……。
 あの頃共有した時間は、彼の中でまだ有効だと思うかい?(酒をつぎ直す巫女に、笑顔で尋ねる)

 それにしても、挨拶はして去れッて教えてなかったかな?
 
Date: 2005/02/21
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