2月22日(火)深夜 葛葉神道家(1)

この身は一体……? 
涼&イサク  
涼:
 ぬ……!
(部屋につき、床に横たえられ、身を起こそうとして、しかし、適わない。全身を走る痛みに呻いて、歯を食いしばる)

イサク:
(涼をゆっくりと腕組みして見下ろし)
 動かれない方がいい……下手をすると、命にかかわるかもしれませんよ。

涼:
(何が起こっているのかわからない。目で問いかけるようにイサクを見上げるが、イサクはいっそ優しげな表情で見下ろしてくるだけ。目を伏せ、途方に暮れ、長く落胆の息をつく)
 ………なんということ。この期に及んで私の体は、どうなったのかのぅ……?

イサク:
 (涼の横に腰掛け、呟き、さとすような口調で話かける)
 あなたは……何もかも自分で背負い込みすぎる。もう、そろそろ、楽をしてもいいはず。そういうことでは、ないんですかね?

 お兄さんのため、自分が頑張らなければならないと、肩に力が入りすぎているんですよ。なにもかも、一人で背負い込めるわけがないのに。

 お兄さんについてだけじゃない。
「オモテ」とかいうものに対しても、命の恩人だという養い親の「老翁」という人に対しても……義理だてをして、毎日、修行とお勤めとやらで忙殺されて、何もかもを我慢して。
 あなたは……彼らを捨てて、一人で立ち、この世に認められてしかるべき力がある人だ。重石ばかりの現在の頚木を捨て、自由になりたいと考えたことはないんですか?

 お兄さんにしても、私の弟にしてもそうだ。もう、良い年をした大人なんです。行き先を告げずにどこかへ出かけることだってありえる。きっと、そのうち、ふらっと帰ってきて、それで終わりですよ。

 あなたがそこまで苦労する必要はどこにもない。

涼:
 (目を閉じて、イサクの言葉を、ムッとするの半分、苦笑半分で聞いていたが、応えようとして目を開ける。そこで、自分を覆うように、イサクが床に手をついて見下ろしているのに息をのむ)
 
Date: 2005/02/22

私のことが、嫌いですか?
イサク&涼  
涼:
 イサ……ッ

イサク:
 私のことが、嫌いですか?
こんな風に見下ろされるのは、迷惑なだけ?
 葛葉の姫………
あなたは、私が嫌いか? ……本当に?

涼:
 (絶句して、イサクを見上げ。つと、頬を赤くして、顔を背ける)

イサク:
 (苦笑して)嫌いではない。むしろ、その逆のはず。
 私が……あなたに惹かれている、これほどの思いが、片方だけに働く力のはずがない。

涼:
 (目を見開いたまま、首のつけねまで真っ赤に染まる)

イサク:
 (喉の奥から、言葉が溢れるような、しかし、押さえた強さで)
 ……最初に会った、その時から。あなたとて気がついていたはず。
 そして、最近は確信に近いほど……判っていた。あなたは……私のことを思うようになると。

(赤い顔のまま、なにおぅとでも言いたげに眉を寄せる涼に、少し微笑んで、その耳にそそぎこむように囁く)

 ………なぜなら、毎夜、私の夢路を通って来られるのは、あなただからだ。

涼:
(ギョッとした顔になり、赤面の赤の上に、さらに朱を散らす。慌てて言い返そうと、イサクへ向き直る)

イサク:
 (涼に発言を許さない。恨み、とがめるように逆に涼を見下ろして、視線で征する)
 ……たかが夢に、これほどに、苦しい思いをさせられるとは。
 想像もしませんでしたとも。人であるあなたに、これまで相手にしたどんな魔より、私はてこずらされている。

(たまらなく恥ずかしいらしい、歯がみして、身を小さくすくめる涼。その姿に、さらに追いつめるように、残酷に笑んで)

 あなたに触れる……夢の中では、たやすいことなのに、朝目が覚めれば、空床だ。あれほど自由に開いたあなたの体が、どこにもない。それを感じる痛み……肌の感触も、髪の流れる音も、匂いさえ、すべて思い描けるのに、それは夢の中だけの産物で、実物のあなたには届かない。

 廊下を行けば、数分たらずのあなたの部屋がすぐそこにある。
 それなのに……我ながら、たいした分別だ。苦く襖を睨むばかりで一歩も外へ踏み出せなかった。

 何をためらったのか、あなたは逢ったその日から、私のものであったというのに。
Date: 2005/02/22

違う……この身は!
涼&イサク  
涼:
 (なんと応えて良いかわからず。ただ、喘ぐように)
 違う……イサク、それは違うぞ。
私のこの身は、兄上のもの。
 唯一、無比の特別な兄上のものじゃ。
まかりまちごうても、お主にくれてやるわけにはゆかぬ。

イサク:
 (静かに、眉を寄せて)
まだ、そんな事を仰るのか。
 ………こと、この状況において。
あなたが、どうしてその身を私から護れると?
(涼の腕をぐいと床に押しつける。痛みに仰け反る涼。その彼女へ、強く、脅すように)前にも確かに言ったはず!
 妹が、兄の所有物になることなど、ありえないと。兄妹は兄妹。
 たとえ一生かかったところで、その関係に変化など起こり得ない。
(目を細め、声を絞りだす)
 あなたは……自分に、そうやって、言葉の呪をかけているだけだ。
 優しい「兄上」の広げた傘から抜け出し、一人になるのを、怖がって。
 
Date: 2005/02/22



あ、あかん……
マタ作  
 駄目でした、24日エンディング………
☆★☆ ☆★☆ ☆★☆

 う、うぇ〜ん………!!!
もうだめ、もう無理、もう寝ないと!!!
 明日は仕事〜………。

 タイトル右上に日付いれて書いていきますので、どうかその日のつもりで読みください……(恥ずかしい……)
 ラスト、工房の日記には土曜と書きましたが、この分では、日曜にずれこみますな……(さらに泣く……)

 次のセンテンスが多分一番気骨の折れるもんになるでしょう〜
 写真は終わっているので、明日、必ずアップするぞ!!!
 ど、怒濤のラストまでもうちょっと………

 しげにょさま〜!!!
ありがとうございます〜ッ!!!
 えっ、いいですかッ!?(ってか、すっかり先にもう一シーン、出てきて貰うつもりだった奴なんです……すんません〜ッ!!! 我が物顔で、変な過去まで作ってしまって!!! お許しくださって、ほんとにほんとにありがとうございます!!! アリュテさま、設定がしっかりしているので、本当に動かすのが楽しい……是非、いつか、ゆっくり有坂と写真など撮らせていただきたいものでございます………!!!)
Date: 2005/02/22
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