イサク: (涼の言葉に、思い切り顔を厳しくして) どうして認めない? 私まで怖いのか。 判っているはずだ、あなたには私しかいないと! (涼がいつまでも自分の方を見ず、無視の姿勢を崩さないのに、おおきく深く眉を寄せ) えぇ……この、強情っぱり……! (ふと、何か思いついたように、顎をあげ) まさか、彼の事を考えているんですか。 あの男が、あなたの「運命の相手」だと?
涼: (思い当たるふしがなく、顔を顰める)違う。私は、お主のことをどうとも思っておらぬと、そう言いたいだけじゃ。 あの男とは誰のことじゃ……?
イサク: (涼の言葉をまるで信じていない。その目に、青白い炎が燃えている) ………有坂岳彦。
涼: (唇を歪めて) お主は……まだそんなことを言うておるのか! 有坂のことなど、何も考えておらん。 お前のこともじゃ! 今、私の頭の中は往く方の知れぬ兄上のことで一杯じゃというておる。 聞き分けよ、この阿呆!
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