日誌2月8日(火) 「少しづつ、事情が知れて参りました。 」

 兄君桜木さま御日記
 2月8日(火)
 ご自室にて記載?

 

 果心堂さんも少し落ち着いてこられたようで、昨日より詳しいお話を
 うかがうことができました。
  それには桜木のコーヒーの力も、少しはございますよ(笑)
 その程度の力はあると、自負しておりますとも。

 さて、仮面の二人組と言っておられたものは、良く聞けば間違い。
 黒い外套に深くフードを被り、顔を隠した相手とは、最初から穏やかな
 連中とも思えません。
  果心堂さんと一郎太さん、お二人が、日課の深夜の山歩きをされて
 いるとき、突然襲われたとのこと、それだけを考えると、相手が果心堂
 さんたちを以前から狙ってのことか、それともたまたま行き会わせただ
 けなのか………

  果心堂さんは、互いを呼び合う名前のようなものも聞いたそうで、
「たしか、片方が片方を『伊佐』と呼び、もう片方は『羽根』と」
 ………手がかりにはなるかもしれません。

 いずれにしても、果心堂さんはかなりお強い方です。

 その方が、力の弱まる日中無理して出歩かれていたならともかく、
 しかも、新月も近づこうというこの時期に、こうも易々と打ち伏せら
 れ、お弟子の一郎太さんまでさらわれておしまいになるとは……いさ
 さか、考えがとうございます。

  それに、相手が一郎太さんを連れて行ったその理由。
 最初から、一郎太さんの身が目的であったのでしょうか。

  また、果心堂さんが変化して全速で追いかけたにも関わらず、
 追いつけなかったとは。私には果心堂さんのように翼もありませんし、
  涼のように術で飛ぶすべもないので「飛ぶ」という仕儀について、
 実感があるわけではありませんが、
  いや、普通、人間は、飛びませんからねぇ……

 あぁ、なんだか間抜けなコメントですね。

 でも、それだけで、大層ややこしい相手なのではないかと思うのです。
 明日の新月には、涼が戻ってくれれば良いのですが……

  なんでしょうね、この嫌な胸騒ぎは。
 どうも、いやぁな感じですよ? ……ふむぅん。
  ヤレヤレ。涼のように、とまではいかなくても。
 この私でも講じれるだけの対策は、うっておくべきでしょうかねぇ。

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